このエントリーをはてなブックマークに追加

加齢黄斑変性の治療薬について

加齢黄斑変性の治療薬について

加齢黄斑変性は失明にも繋がる注意すべき眼の疾患。加齢黄斑変性の治療法として「抗VEGF薬治療」と呼ばれる治療法があります。「抗VEGF薬」の特徴についてまとめました。

治療を行う加齢黄斑変性は「滲出型」

まず、加齢黄斑変性には2つのタイプがあり、それぞれ「滲出型」と「萎縮型」と呼ばれています。このうち治療法があるのは、滲出型の加齢黄斑変性。

滲出型の加齢黄斑変性のメカニズム

滲出型の加齢黄斑変性のメカニズムは、網膜で脈絡膜新生血管という血管が伸びてきて、そこから血液や血中の成分が漏れ出し、溜まった水分が網膜を押し上げることで黄斑に異常が現れるというものです。

治療はこの脈絡膜新生血管に対して働きかける方法で行われ、これまでさまざまな治療法が行われてきました。

加齢黄斑変性の治療法

加齢黄斑変性の治療方法として、過去には「新生血管抜去術」や「レーザー光凝固術」と呼ばれる治療法が主に導入されていました。

治療法の種類

新生血管抜去術は、加齢黄斑変性の原因となる脈絡膜新生血管を手術により取り除く治療。レーザー光凝固術は、レーザーの光で血管を焼き固める治療法です。

黄斑変性の治療法の歴史

2004年になると、薬剤と弱いレーザー光線を使う新しい治療法が考案されます。PDT(軽減光線力学的療法)と呼ばれるその治療法はレーザー光凝固術よりも正常な組織へダメージを与えるリスクが小さく、黄斑変性の治療法として広く取り入れられました。

ただし、上記の治療法はいずれも視力の改善を促すものではありません。あくまでも、すでに症状が進んで視力が低下した人に対して行われる治療法でした。それから数年後、レーザーを不要とする画期的な治療方法が生み出されます。その治療法が、現在もっとも有効な治療法とされている抗VEGF薬治療です。

抗VEGF薬治療の特徴

VEGF(血管内皮増殖因子)は、体内にある脈絡膜新生血管の成長を活性化させる物質。滲出型の加齢黄斑変性の進行を阻止するためには、このVEGFの働きを抑制して脈絡膜新生血管が成長しないようにすることが重要です。

抗VEGF薬治療では、「VEGFの成長を抑制する働きを持つ薬」を眼に直接注射することで、血管を退縮させて症状を改善させていきます。

抗VEGF薬治療のメリット

抗VEGF薬治療のメリットは、一度低下した視力の改善が期待できること。さらに、視力の低下がはじまる前から治療を開始することが可能です。

予防にはルテインがおすすめ

視力の低下がはじまる前から行える治療としては、ルテインサプリメントの摂取も有効です。ルテインはもともと黄斑に多く存在する抗酸化作用を持つ色素。加齢黄斑変性の進行予防への効果が、研究により確認されています。

進化している加齢黄斑変性の治療方法

加齢黄斑変性について、これまでさまざまな治療方法が考案されてきました。その中でも「抗VEGF薬治療」は、低下した視力の改善が期待できるほか、視力低下がはじまる前から治療に取り組めるというメリットを持ち、現代の治療法の主流となっています。

また、視力低下を予防する意味では、ルテインをはじめとした、目の健康維持に必要な栄養素をサプリメントで補うことも重要です。少しでも症状を感じたら、年齢のせいと放置せずに眼科を受診するようにしましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する記事