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黄斑円孔とは?

黄斑円孔とは?

黄斑部に小さな穴が開くことで、視界不良を引き起こす黄斑円孔。加齢により発症する病気ですが、症状や治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は黄斑円孔についてみていきましょう。

物を視る大切な役割を果たす「黄斑」

黄斑円孔が発症する「黄斑」は、網膜の中心に位置する部分です。網膜は眼をカメラに例えると、フィルムにあたる部分。そのため、網膜の中心にある黄斑は、物を視るうえで大切な役割を果たしています。

黄斑に穴が開く「黄斑円孔」

この黄斑に小さな穴(円孔)が開く病気が、黄斑円孔です。黄斑円孔の原因や症状などを詳しくみていきましょう。

【原因】加齢により発症する

網膜の内側には、硝子体と呼ばれるゼリー状の物質があり、網膜にくっついた状態で存在します。硝子体は、年齢とともに体積が縮小。この縮小にあわせて、くっついた網膜が引っ張られ穴が開いてしまいます。これが黄斑円孔です。

【症状】物の歪みや視力低下

黄斑円孔の主な症状は、物の歪みと視力の低下です。痛みなどはなく、症状の進行とともに歪む範囲が広がったり、視力の低下が進んでいきます。

テレビを見ている最中に、「出演者の顔だけがぼやける」といった症状が出た場合は、黄斑円孔を疑ってみましょう。

手術による治療が可能

15年前まで、黄斑円孔は治療が不可能な病気とされてきました。しかし、現在では、手術による治療が可能となっています。ここからは検査方法と手術についてみていきましょう。

【検査】眼底検査やOCTで診断

黄斑円孔の検査に用いられるのは、眼底検査とOCT(光学的干渉断層計)です。眼底検査はさまざまな眼の検査に用いられており、黄斑円孔を診断する際にも広く用いられています。

また、網膜の断面を詳しく検査できるOCT(光学的干渉断層計)などを使うことで、より詳細な病状を調べることが可能です。

【治療】手術が唯一の治療法

現在、黄斑円孔の治療には手術だけが唯一の治療方法となっています。手術の方法は、おおきく2段階に分けられます。

  1. 硝子体を切除する
  2. 硝子体に変わる特殊なガスを注入する

手術は30分~1時間程度でおこなわれ、局所麻酔を使用するため痛みもありません。手術によって、約9割の方で円孔がふさがります。

また、6割の方では視力の回復がみられます。覚えておきたいのは、元の状態には戻らないということ。黄斑円孔は加齢が原因とされることから、老化現状の一部ととらえることもできます。

病気の発見が遅れ、症状が進行している場合はそれだけ回復の確率も低くなってしまいます。少しでも回復の可能性を高めるためにも、「早期発見・早期治療」を心がけましょう。

早期発見・早期治療で回復の可能性を高める

黄斑円孔は、年齢による原因から黄斑部に穴が開いてしまう病気です。痛みもなく、急激な症状の進行がないことから、発見が遅れてしまうことがあります。少しでも回復の可能性を高めるためにも、早期発見・早期治療が大切です。

現在は手術による回復が望める病気だからこそ、日頃から症状の進行に注意して、早期治療につなげるようにしましょう。

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