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眼科医が答えるルテインQ&A

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眼科医が答えるルテインQ&A

カロテノイドの一種で、目を守る成分として知られているルテイン。
しかし、具体的にどんな成分か知っている人は少ないはず。
ルテインについてのみなさんの疑問に、青梅順心眼科クリニックの赤津院長がお答えします!

【インタビュー回答者】

赤津 徹 (あかつ とおる)
1995年国立琉球大学医学部医学科卒 順天堂大学眼科医局入局
順天堂本院、焼津市立総合病院、市立室蘭総合病院を経て、平成15年8月に青梅順心眼科クリニック(東京都青梅市)を開設。
白内障施術数約12000件以上、1日の外来人数200人以上、開院以来延べ90万人以上の患者様を診察・治療し現在に至る。
地域に貢献する医療を目指し、日々研究・臨床に研鑽を積んでいる。

よくあるご質問:01

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ルテインとはどんな成分ですか?

赤津 院長

赤津 院長

ルテインとは600種類以上あるカロテノイド(動物や植物に存在する黄色、赤、橙色などの天然色素)の一種で、強い抗酸化作用を持っています。また人体にも存在し、目の中の水晶体や黄斑部をはじめ、皮膚などにも多く含まれています。
ルテインはもともと人間の体に存在する成分ですが、体内で作り出すことができず、年齢とともに減少していきます。

よくあるご質問:02

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どんな効果があるのですか?

赤津 院長

赤津 院長

ルテインが持つ抗酸化作用には、紫外線の強い光から目の細胞を守る働きがあります。
みなさんがよく使用されるスマホやパソコンの画面から発するブルーライトも、紫外線と同じくらい強く、目に悪影響を与えるもののひとつ。ルテインはこの青い光からも目を守ってくれます。
そのため、白内障や加齢黄斑変性など、紫外線による影響や加齢にともなう酸化が原因の眼病予防にも効果があるといわれています。

よくあるご質問:03

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ルテインはどんな食品に含まれているのですか?

赤津 院長

赤津 院長

ルテインを多く含有する食品の代表としては、カボチャやニンジン、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜が挙げられます。
なかでもルテインが豊富な食品は以下のとおりです。
・ほうれん草…100gあたり約10mgのルテインが含まれています。同じ緑黄色野菜のブロッコリーやカボチャに比べると、ルテインの量は5〜8倍以上になります。
・パセリ…パセリもほうれん草と同じ100gあたり約10mgのルテイン含有量。ただ、食事としてパセリだけでルテインを摂取するのは大変です。
・ケール…青汁の原料として有名なケール。ケールには100gあたり約21mgものルテインが含まれています。しかし、強烈な苦味と入手の難しさもあり、手軽にルテインを摂るには不向きかもしれません。青汁としてであれば1杯で約10mgのルテインを摂取することができます。

よくあるご質問:04

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どのくらいの量を摂取すればよいですか?

赤津 院長

赤津 院長

一般的には、1日に6mg以上の摂取がよいといわれています。
一方で、加齢黄斑変性症の予防には約10mg、さらに眼病に悩んでいる人は12〜15mgの摂取が望ましいという海外での研究結果も出ています。

よくあるご質問:05

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ルテインを摂取するにはどんな方法がありますか?

赤津 院長

赤津 院長

先ほど挙げた緑黄色野菜から日常の食事の中でルテインを摂取するのが理想的です。
■ 食事
ルテインは油と相性ピッタリ。熱に強いため加熱しても問題がなく、油と一緒に摂取すると吸収力もアップします。そのため、油やバターなどで炒めたり、揚げたりする調理法がおすすめです。
また、ルテインは、クコの実やパプリカ、マンゴーなどに含まれるゼアキサンチンとも相性がよいため、ゼアキサンチンを多く含む食材もあわせて取り入れるとよいでしょう。
■ どうしても食事でとるのが難しい場合
「仕事が忙しくて外食に偏りがち」「たくさんの量の野菜をとるのが難しい」など、毎日欠かさず必要な量の緑黄色野菜をとることが難しい方もいらっしゃいます。
その場合、サプリメントで効率的にルテインを摂取する方法もあります。

よくあるご質問:06

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ルテインを摂取する際に気をつけることはありますか?

赤津 院長

赤津 院長

緑黄色野菜など、食材として調理したものを摂取する際には特に気をつけることはありませんが、サプリメントでルテインを摂る場合には注意が必要。
石油を原料として人工的に作られた「合成ルテイン」は、胸焼けや嘔吐、タバコの成分と一緒に摂取すると発がん性物質を帯びる危険もあります。
ルテイン配合サプリメントを選ぶ際には、植物に含まれる天然成分由来の「天然ルテイン」を使ったものを選びましょう。

ルテインの働きを理解して10年、20年後も目を健康に

ルテインと目の健康の関係性についておわかりいただけたでしょうか?今は問題がなくても、年齢を重ねるにつれて目の機能も確実に落ちていきます。
目の健康について少しでも気になることがあれば、一番身近なかかりつけ医やお近くの眼科医にぜひ一度相談してみましょう。

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