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子供の飛蚊症について

子供の飛蚊症について

飛蚊症は加齢による発症が一般的ですが、子供にも症状があらわれることがあります。親にとって心配な子供の飛蚊症。今回は、その原因や注意すべき点についてご紹介します。

「埃のようなものが浮かんでいる」

子供が飛蚊症の症状を感じると「埃のようなものが浮かんでいる」と教えてくれることがあります。飛蚊症の症状は大人でも表現がさまざまで「黒い影がみえる」「小さな虫が飛んでいる」など、個人によっても差があります。

硝子体の濁りが埃の正体

では、この埃の正体はなんなのでしょうか。飛蚊症の原因は、硝子体の濁りです。硝子体は眼球内にあるゼリー状の物質で、眼のカメラフィルムにあたる網膜の前に位置しています。

この硝子体が濁ってしまうと、網膜に届く光を邪魔してしまい、飛蚊症の原因となります。硝子体はゼリー状なため、この濁りも眼球の動きにあわせて移動。この濁りの動きが、まるで「埃が浮かんでいるよう」に感じてしまう症状の正体です。

子供の飛蚊症は心配しなくても大丈夫

親にとって何より心配なのが、飛蚊症が子供の視力などに影響するのかどうか。子供の飛蚊症の多くは、生まれつきものである「先天性繊維様混濁」が原因です。

簡単に言い直すと、生まれつきの硝子体の濁りが飛蚊症を引き起こしている、ということ。この場合は、視力の低下や失明などといった心配はありません。そのため、治療の必要もなく、安心して日常生活をおくることができます。

生理的飛蚊症は大人でも多い

こうした治療の必要がない飛蚊症を「生理的飛蚊症」と呼びます。生理的飛蚊症は大人でも発症する方が多く、決して珍しい症状ではありません。大人の場合は加齢による硝子体の濁りが主な原因です。

また、加齢により硝子体が収縮し網膜剥離を起こすことで飛蚊症を発症する場合がありますが、子供は若く硝子体の収縮は進まないため、こちらも心配する必要はないでしょう。

心配な場合は眼科で検査をおこなう

症状が続き気になる場合は、眼科を受診して検査をしてみましょう。飛蚊症の検査には眼底検査を用います。

点眼をおこない瞳孔を開いた状態で検査するだけなので、検査による痛みもありません。30分程度で検査できることから、心配な場合は一度検査しておくと安心です。

症状の進行がある場合は早めに検査する

注意したいのが、飛蚊症の症状が進行した場合。例えば、「浮かんでいる埃の数が増えた」「埃が大きくなった」と子供が教えてくれた場合は、早めに眼科を受診しましょう。子供でも、まれにぶどう膜炎などから飛蚊症を引き起こすことがあります。

また、目のかゆみや痛みを伴う場合も、他の病気が疑われるため、検査をするようにしましょう。

子供の飛蚊症は慌てず経過観察を

子供の飛蚊症の原因は、先天的な硝子体の濁りから起こるもので、心配する必要はありません。症状が続く場合は、一度眼科で検査をしておけば安心です。

問題がないと診断されたあとは、経過観察をおこないましょう。子供は大人に比べ症状を言葉にすることが苦手です。飛蚊症と診断されてからしばらくは、症状に進行がないか、それとなく子供に確認してみるとよいでしょう。

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