虫が飛んでいるように見える飛蚊症の原因は、加齢によるものが考えられます。しかし、症状によっては思わぬ病気が隠れている場合もあり、検査を受けることが大切。今回は、飛蚊症の症状と原因についてご説明します。
飛蚊症とは?
日常的に感じる目の違和感には目が痛い、目がゴロゴロするなどさまざま。なかでも、50歳を過ぎると、物の見え方に違和感がある方が増える傾向にあります。視界の中に小さな糸くずがふわふわ漂い、虫が飛んでいるように見える症状は飛蚊症かもしれません。
飛蚊症の主な症状
飛蚊症は、普段の生活の中で白い壁や空を見た時に視界に現れることが多く、目を動かすと、影もまた同じ方向に移動し細かく揺れるのが特徴。まるで目の前を蚊が飛んでいるように見えることから、飛蚊症と呼ばれています。
影の形はさまざまで、リング状のものやひも状のもの、小さな粒状のものなどで、目をこすっても消えることはありません。
生理的飛蚊症と病的飛蚊症の違い
飛蚊症の症状を自覚したら、それが生理的飛蚊症なのか、病的飛蚊症なのかに分けて考えることが大切です。では、その違いとは?
病的飛蚊症
病的飛蚊症とは、なんらかの病気が原因で飛蚊症によく似た症状を引き起こしている場合で、早急に眼科医の診察と精密検査が必要。
生理的飛蚊症
生理的飛蚊症は病気とは関係なく、飛蚊症の症状が起きている場合です。病気が原因ではないので特に心配いりませんが、日常的に糸くずや虫が飛んでる状態はストレスにつながりかねません。
生理的飛蚊症の症状や原因を知ることは、ストレス回避のためにも大切なこと。ここでは、主に生理的飛蚊症の原因についてお話していきます。
生理的飛蚊症の原因
生理的飛蚊症の原因は加齢に伴う生理的変化によるものです。目の病気に直結するわけではないのですが、見え方に違和感を覚えるのはとても不安ですね。では、加齢によっておこる飛蚊症のメカニズムについてご説明していきましょう。
加齢による硝子体の濁り
水晶体と網膜の間にある透明なゼリー状の組織を硝子体と呼びます。硝子体には99%以上の水分とわずかな線維組織が含まれていて、若い時には透明で濁りのない状態。
しかし、加齢とともに、線維組織が壊れて水っぽくなっていき濁りが生じてきます。そのため、そのわずかな濁りを、糸くずや虫として視界に感じ取ってしまうのが生理的飛蚊症の原因。
高齢者に多い後部硝子体剥離
生理的飛蚊症の原因には、硝子体の濁りに加え、高齢者に多い後部硝子体剥離があります。
後部硝子体剥離とは、加齢によって硝子体の線維組織と水分が分離して空洞ができ、それがさらに進行して眼球の内壁から硝子体が離れてしまい、線維の塊がふわふわと眼球内を漂っている状態。
後部硝子体剥離は加齢によって引き起こされるため、病気ではありません。
飛蚊症を自覚したら、検査をうけましょう!
生理的飛蚊症の原因は、加齢に伴う生理的なものなので心配いりません。しかし、病的飛蚊症の場合もあるので、日頃から見え方に注意することが大切です。
見え方に影だけでなく光が見えたり、影が増えてくるようだったら、深刻な目の病気が隠れていることもあります。重篤な目の病気を早期発見するためにも、飛蚊症の症状を自覚したら、眼科医の詳しい検査を受けましょう。