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網膜細動脈瘤とは

網膜細動脈瘤とは

網膜細動脈瘤は、網膜の毛細血管に瘤ができる病気。瘤がしだいに大きくなり、放置しておくと最終的に破裂して出血し、失明に至ります。網膜細動脈瘤の原因や症状について解説します。

網膜細動脈瘤とは

網膜細動脈瘤とは、どのような病気なのでしょうか。

網膜細動脈瘤は高血圧・動脈硬化と関係がある病気

網膜細動脈瘤は、網膜の動脈に瘤ができる、いわゆる動脈瘤です。高齢で、高血圧、動脈硬化のある人がかかりやすくなります。高血圧や動脈硬化で網膜の動脈が変形して、血管の弱い部分に小さな瘤ができ、次第に大きなって網膜細動脈瘤となります。

瘤の部分から眼底出血が起こり放置すると、動脈瘤が破れ出血し、失明することもあります。男性よりも、女性の発症率が高い病気です。

ちなみに、細動脈とは、動脈から毛細血管に至る直前にある、直径が0.5mm以下の血管のこと。抵抗血管とも呼ばれ、全身の血圧の維持に関係しています。

網膜細動脈瘤の症状

網膜細動脈瘤は、血液の成分が漏れて網膜浮腫や、眼底出血を引き起こします。この段階では、急激な視力の低下や眼のかすみ、出血した部分が影となり視野の一部が欠けるなどの症状が現れます。

網膜浮腫は、よりはげしい黄斑浮腫の状態になると網膜剥離を起こす場合も。さらに視細胞に損傷があると失明の危険性は避けられません。

また、硝子体に出血を起こし、視野に小さな虫が飛び回るように見える、飛蚊症の症状が出る場合もあります。

網膜細動脈瘤の原因

網膜細動脈瘤の原因は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病により、網膜の動脈が硬化するなど変形することです。高血圧や動脈硬化の人は、血管が高い圧力に常にさらされているため、血管に何らかのダメージを与えています。

特に高血圧は、網膜静脈閉塞症など眼の病気を引き起こしやすく、血圧のコントロールには日頃から、注意が必要です。

網膜細動脈瘤の検査と治療

網膜細動脈瘤の検査と治療は、どのように行われるのでしょうか。簡単に解説します。

網膜細動脈瘤の検査

網膜細動脈瘤の検査には、視力検査、眼底検査、OCT(光干渉断層計)があります。眼底検査は、散瞳薬を使い瞳孔を広げ、眼球の奥の網膜を調べます。検査後しばらくは、まぶしかったり、近くが見えづらい状態が続きます。

OCT(光干渉断層計)は、網膜の断層画像から、動脈瘤の存在や状態、網膜浮腫の発生を調べる検査法です。

網膜細動脈瘤の治療

網膜細動脈瘤は、自然に瘤が無くなり、視力の低下も見られない場合が多く、出血も自然に吸収されます。この段階では血管強化剤などの薬で治療することが可能です。

出血を繰り返したり、黄斑浮腫の危険がある場合は、レーザーによる治療を行います。黄斑浮腫になると、視力の回復が困難になる場合があるための処置です。

網膜細動脈瘤は定期的な検査で早期発見

網膜細動脈瘤は高血圧や動脈硬化といった生活習慣病が原因で起こる病気。それらの病気の治療をしっかりすることが大切です。

生活習慣病の症状がある場合は、眼底検査などの検査を定期的に受け、眼の異常を早期に発見することで、網膜細動脈瘤の症状の進行を食い止めることができます。気になる症状を感じたら、眼科を早期に受診しましょう。

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