ルテインのサプリメントは、加齢黄斑変性や緑内障などのリスクを抑える効果が期待できます。ただし、選び方によって期待できる効果は大きく違ってきます。選び方のポイントをおさえておきましょう。
ルテインサプリメントについて
ルテインサプリメントがなぜ必要なのでしょうか。まずはルテインについて解説します。
ルテインについて
ルテインは、カロテノイドの一種で、目の黄斑部や網膜に多く含まれる黄色い色素。紫外線やパソコン・スマホのブルーライトなどの有害な光を吸収し、抗酸化作用で炎症を防ぐなどのはたらきがあります。
加齢や喫煙、紫外線の影響、不規則な食事などが原因で、ルテインが減少するとかかる病気が加齢黄斑変性。視力の低下や物が歪んで見えるなどの症状が現れ、高齢者の失明の原因となっている病気です。また白内障にもかかりやすくなります。
体内では生成されないルテイン
加齢黄斑変性や白内障の予防に期待されるルテインですが、残念ながら体内では生成することができません。
そのため、ルテインを多く含むケールやブロッコリー、カボチャ・ほうれん草などの緑黄色野菜などの食品から摂る必要があります。しかし有効な摂取量を食品だけで摂るのは難しい場合も。不足したルテインを補うために、ルテインサプリメントの活用が有効です。
ルテインサプリメントの2つの種類
ルテインサプリメントを選ぶ際にまず重要なのは、「フリー体ルテイン」と「ルテインエステル」のどちらであるかということです。
フリー体ルテイン
ルテインは人の目に多く存在する成分ですが、この人の体内に存在するものと同じ精製ルテインが「フリー体ルテイン」。体内に存在するものと同一のルテインなので、この成分を使用したサプリメントは、摂取後にそのまま吸収されます。
「フリー体ルテイン」は自然にはじめから存在するいわば「天然もの」。体に無理なく吸収されるので、この「フリー体ルテイン」を選ぶことが重要なポイントです。
ルテインエステル
「フリー体ルテイン」と「脂肪酸」がエステル結合されている未精製のルテイン。精製されていないので、製造コストも小さく安価ですが、もともと人の体内に存在する成分ではないため、体内に入ってもそのままで吸収はされません。
緑黄色野菜などルテインを多く含む食品から摂取しただけの状態のルテインも、「ルテインエステル」の段階なので体内に吸収されません。
「ルテインエステル」が吸収されるためには、摂取されたあとに消化酵素の働きで脂肪酸を除去する必要があり、これを「脱エステル化」といいます。この「脱エステル化」ができたルテインエステルだけが「フリー体ルテイン」となり、体内に吸収されることとなります。
そのため、「ルテインエステル」のサプリメントの場合、含まれている成分の一部しか体内に吸収されません。
どちらのルテインかを見極める
比較してみると、成分がそのまま吸収される「天然もの」の「フリー体ルテイン」の方が効果も高く、当然よいものであることがお分かりいただけるでしょう。しかし、「ルテインエステル」を使用したサプリメントは市場にたくさん出回っています。
「フリー体ルテイン」使用のサプリがおすすめ
ルテインのサプリメントを選ぶときには、「フリー体ルテイン使用」と記載されているものを選ぶよう注意しましょう。この記載がないルテインのサプリメントは「ルテインエステル」を使用している可能性が高くなります。
含有量と組み合わせを確認する
ルテインサプリメントの選び方として、どれくらいの量が含まれているのか、また一緒にどんな栄養素が含まれているのかも大事なポイントです。
青魚の成分DHA(ドコサヘキサエン酸)や、ルテインと似た成分のゼアキサンチンなどを含有したものがあり、加齢黄斑変性や白内障など目の病気の予防にさまざまな成分が配合されているので、自分に合ったサプリメントを選びましょう。
一日の摂取量
1日の摂取量の目安は、6mg程度が望ましいとされています。1日6mgのルテインの摂取で加齢黄斑変性が57%、白内障が20%減少するという研究の報告もあり、当然ながら成分がそのまま体内に吸収される「フリー体ルテイン」を選んでこそ、ルテインの含有量が意味を持つと言えるでしょう。
食品では6mgを摂取するのは難しい場合も、サプリメントなら効率的な摂取が可能。用法・用量をしっかり守って有効に活用しましょう。
効率的な摂取のために
「ルテインエステル」の場合は、その含有量の全てが吸収されるわけではありません。含有量6mgの表示でも、そのまま6mgを吸収できるわけではないので注意が必要です。表記されている含有量の半分は脂肪酸になり、吸収されるルテインの量は表記の含有量より少なくなります。
ルテインをより効率よく吸収するには、脂溶性なので脂質とともに摂取すると高い効果が期待できることを覚えておきましょう。ルテインを食事から摂る場合は、油を使った調理など脂質と一緒にルテインを摂ると、体内への吸収が良くなります。
ルテインサプリメントの効果はどれくらい続く?
ルテインサプリメントの摂取を開始して20日~40日で黄斑部の色素が増え始め、摂取をやめても40日~50日の間、色素が増え続けたという報告が、米国で発表されています。
ルテインは、減少するものです。サプリメントの効果を持続させるためにも紫外線やタバコはなるべく避け、栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。
天然の「フリー体ルテイン」を選ぶことが大事
一口にルテインといっても、体内にそのまま吸収できる自然のものかどうかでその効果は大きく異なるため、注意が必要です。ルテインサプリメントを選ぶときの重要なポイントは、天然の「フリー体ルテイン」を使用したものを選ぶこと。
まずはこのポイントをおさえた上で、含有量や一緒に含まれる栄養素に目をむけるようにしましょう。