白内障手術は、失明などのリスクも低い安全性の高い手術です。しかし手術である以上、リスクがゼロというわけではありません。白内障手術のリスクにいついて解説します。
白内障の手術とは
白内障手術は、瞳を開く薬を点眼することから始まります。手術台に座ったあと点眼麻酔を行い眼の周辺を消毒後、開瞼器で瞼を開きます。その後、局所麻酔をしてから手術開始。
手術は、まず角膜と強膜の堺を約3ミリほど切開します。その穴から器具を挿入して水晶体嚢の全部を円形に切り取り、超音波で水晶体を砕いてから吸引器で除去。その後、眼内レンズを挿入し水晶体嚢に固定して手術は終了です。
局所麻酔をしているため、手術で痛みは感じません。顕微鏡などの光をまぶしく感じたり、器具が触れる感覚はあります。
手術中のリスク
白内障手術は、医療技術の進歩などにより安全に行うことができます。しかし、失明などの事態がまったく起こり得ないわけではありません。
手術中のリスク1.麻酔のリスク
白内障手術では、局所麻酔を使いますが、麻酔のショックで血圧の低下や意識の喪失を招くリスクがあります。
手術中のリスク2.出血による失明
ごく稀に眼にメスを入れた瞬間、脈絡膜から出血。出血量が多い場合、失明に至ることもあり得ます。
手術中のリスク3.眼内レンズ挿入時のリスク
水晶体を砕いて、吸引除去したあと水晶体嚢に眼内レンズを挿入します。このとき、水晶体嚢自体が破損したり、水晶体嚢を支えるチン小帯が切れることもあり得ます。この場合は、眼内レンズを糸で固定する手術が必要です。
白内障手術後のリスク
白内障手術の後も、トラブルが発生する可能性があります。
手術の後リスク1.感染
白内障手術の後、切開した部分が細菌に感染するケースがあります。眼に水などの異物が入ったり、手で触ったりしないように、術後はゴーグルなどでの保護が必要です。
手術の後リスク2.眼圧上昇
手術後、一時的に眼圧が上昇するケースがあります。眼圧を下げる点眼薬や内服薬を服用すれば、1~2日ほどで下がるのが一般的です。
手術の後リスク3.後発白内障
手術後数か月から数年後(発症時期は不定)、水晶体嚢が濁ってくる場合があります。白内障手術のとき水晶体嚢に残った細胞が増殖して起こり、視力低下などの症状が現れる病気です。
レーザーで水晶体嚢に穴をあける処置が施され、短時間ですみ痛みや失明のリスクもありません。
手術の後リスク4.見え方が変わる
白内障手術の後、眼内レンズでほとんど視力を回復しますが、微調整はメガネで矯正する必要があります。また、はっきり見えるようになることで、光をまぶしく感じることもあるでしょう。
白内障手術で失明のリスクは少ない
この記事では白内障の手術時のリスク、また術後のリスクに関してご説明しました。目の手術となると、失明の不安を抱かれる方もいらっしゃいますが、白内障手術において失明に至るような事態はそうそう起こるものではありません。
しかし、もし手術も治療もせず、白内障を放置した場合、約3%の確立で失明するとも言われています。一般的に白内障手術は安全で、日帰りで行うことも可能です。白内障の症状を感じたら、早期に眼科医を受診することをおすすめします。